学生納付特例制度を使ったものの、国民年金のお金(国民年金保険料)を追納するべきなのか?
学生納付特例制度を使用し、猶予を受けた方は悩むと思います。
そんな悩みを解決するべく
- 国民年金保険料を追納した場合
- 追納せず、投資をした場合(※)
(※優良な投資信託を購入し運用した場合を想定)
について計算して比較しました。
結論:投資信託を購入し運用した方が「約32万円」ほどお得になります。
ただし投資信託の運用期間は30年、平均リターンは年利4%という条件付きです。
詳細な計算背景を解説させていただきます。
比較対象となる2人の前提
追納する場合(吉田くんのケース)と追納せずに投資(鈴木さんのケース)をする2人の背景を共有します。
国民年金保険料を追納する吉田くんの状況は以下の通りです。
- 所得は年間で150万円
- 納付していない期間は24カ月
- 追納金額は34万円
僕は追納派!
また追納せず、投資をする鈴木さんの状況は以下の通りです。
- 所得は年間で150万円
- 納付していない期間は24カ月
- 34万円を追納せず、代わりに投資信託を一括購入(※1)
- 投資信託を30年間、平均年利4%で運用(※2)
私は投資信託を買うわ!
※1 S&P500に連動しているインデックス・ファンドを購入。
※2 過去のS&P500は30年で年利10%(参考データ:myindex)。今回は10%より低めの4%を想定し計算。
少し控えめな年利に設定。
それでは吉田くんと鈴木さんの、将来受け取れる年金受給総額を計算していきます。
年金受給総額の計算
吉田くんと鈴木さんの寿命は85歳とし計算しました(令和2年簡易生命表を参考に、平均寿命を85歳と設定)。
吉田くんの年金受給総額
国民年金保険料を追納し満額納税した場合、65歳から受け取れる金額は約78万円です(2021年実績)。
85歳までの年金受給総額は
780,000×(85-65)=15,600,000
となります。
鈴木さんの年金受給総額
鈴木さんは24カ月間の国民年金保険料を納付していません。
そのため、65歳で受け取れる年金額は
780,000×(480ー24)÷480=741,000
となります。ですので85歳までの年金受給総額は
741,000×(85-65)=14,820,000(①)
です。
しかし鈴木さんは、34万円分の投資信託を購入しています。
34万円を30年間、平均年利4%で運用した場合
340,000×(1,04)30=1,102,755(②)
になります。
①と②の合計、1482万円+約110万円=1592万円が年金受給総額となります。
小括:追納せず、投資信託を買う方が計算上お得
追納した吉田くんの場合、65歳から年金を受け取ると総額1560万円
追納せず、投資信託で運用した鈴木さんの場合は総額1592万円
となりました。
この結果から、追納せず投資信託を購入し運用した場合の方が約32万円ほどお得となります。
筆者はどうするか
僕は追納をせずに投資信託を購入し運用します。
具体的には追納しない分をつみたてNISAやiDeCoのお金にしたいと考えています。
一方で追納をすれば、将来もらえるお金は確実に増えます。
なので、性格によっては追納した方が良いケースも当然あります。
最終的にはご自身の価値観に照らし合わせて、ご判断ください。
まとめ
国民年金保険料を追納した場合と追納せずに投資して運用した場合をシュミレーションしました。
結論、追納せずに投資信託を購入した場合の方が「約32万円」ほどお得になります。
運用期間は30年、平均年利4%の条件つきですが、4%はかなり現実的な数字だと考えています。
現実的な数字ではあるものの、4%は確約されている数字ではありません。
「確実」に老後のお金を増やしたい人は追納の検討をお願いします。
皆さんの老後戦略の参考となれば幸いです。