父方のおばあちゃんの葬儀が終わり、数日が経過した。
「出会いは別れの一歩」という言葉があるように、人はどんな形であれ必ず別れるものだと改めて認識した。
別れがいつ来るからわからないからこそ、大切な人には、日頃から感謝の意を伝えたいなと思った。
僕は今日の夜、AKさんと電話することになっていた。
自分と電話をしてくれることに、感謝だなと思ったし、その旨を伝えようと思った。
感謝の気持ちは伝えつつ、今の自分の気持ちも伝えようと決めた。
それは僕がAKさんのことを好きで、付き合いたいという気持ちだ。
まだ知り合ってから1ヶ月すら経ってないけど、個人的には知り合ってから3ヶ月くらい経っているような気持ちだった。
それだけAKさんとは濃い時間を過ごしていた。
一般的には3回目のデートでの告白がセオリーかもしれないけど、僕の心はもう既に決まっていた。
そんなこともあり、今夜の電話で自分の想いを伝えようと思った(自分をここまで想わせてるAKさんはすごい)。
どんな風に自分の気持ちを伝えたらいいのやら。
僕はとても悩んでいた。
悩んだ末、自分の想いを直接、素直に言おうと決意した。
いつも通り夕飯を食べ終え、お風呂に入った。
そして気がついたら電話の時間になっていた。
「電話の時間を作ってくれてありがとう」と感謝の気持ちを伝えた。
そしていつも通りたわいのない話で盛り上がったが、盛り上がりに終止符を打ったような、間が生まれた。
僕は「このタイミングで自分の好意を伝えるべきなのでは?」と思った。
頭が真っ白になりかけていたせいか、
「実はAKさんのことが好きで、良かったら付き合いなって思ってます。ただ明後日のデートになったら、顔を見て直接言わせてください」
という、何とも言えない伝え方をしてしまった。
自分をフォローするつもりはないが、僕は人生で一度も電話で告白をしたことがない人間だ。
伝えた瞬間「なんでもっと上手く伝えられなかったのだろうか」と心底思った。
自分の想いを伝え、少し間が空いた。
僕はその間がとても長く感じた。
AKさんの反応を恐る恐る聞くと、向こうも同じ気持ちとのことだった。
これって、告白が成功したのでは?
僕は見えないところでガッツポーズをしてしまった。
まだ正式にはOKをもらっていないのだけれど、これはAKさんと付き合えるかも!と嬉しくなったのだから、ガッツポーズくらいする。
自分の気持ちを伝えた後、少したわいのない話をして、電話を終えた。
自分でも驚いているのだが、AKさんとリアルデートを1回しかしていない。
1回のリアルデートでこんなにも人を好きになるなんて僕は夢にも思ってなかった(もちろんメッセージのやり取りは毎日しているし、電話は定期的している)。
周りからは「急いでいない?本当に大丈夫?」と思われるかもしれない。
けど全く急いではいなく、付き合うなら、なんなら結婚するならこの人かも、という直感が僕にはあった。
だから不思議と3回目のデートまで告白を待とうとは思わなかったのだ。
本当に不思議だ。
僕はその日、とても疲れてしまったせいか、気がついたら寝ていた。